2024.7.24
パテックフィリップ ノーチラスの資産価値はどのくらい？人気モデルの相場も解説
高級時計を資産価値のひとつとして考える人も増えてきました。希少価値の高いパテックフィリップのノーチラスも注目されている高級時計モデルのひとつです。アバンギャルドなデザイン性も時計コレクターの心をくすぐる理由といえるでしょう。
本記事ではノーチラスの資産価値が高い時計として扱われる理由のほかに、価格相場について解説します。高級時計のコレクションを趣味としている人、ノーチラスの購入を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
最高品質のスポーツウォッチ「ノーチラス」
世界三大時計ブランドのひとつであるパテックフィリップはスイスジュネーブ発祥の高級時計メーカーです。1839年創業以来、最高品質の腕時計を制作するメーカーとして時計愛好家たちから厚い信頼を得ています。
名門のマニュファクチュールブランドとも名高いパテックフィリップが生み出した数あるコレクションの中でも、高い注目度を誇っているのが「ノーチラス」です。
社交界でも身に付けられるラグジュアリーラインをメインとしていたパテックフィリップが、今までとは異なる革新的なモデルである最高品質のスポーツウォッチとして、ノーチラスを発表しました。
ノーチラスの誕生と歴史
1969年にセイコーがクォーツ式腕時計を開発したことにより、多くの機械式時計メーカーは倒産の危機に立たされました。その窮地を救うために記念碑的なモデルとして誕生したモデルがノーチラスでした。
ラグジュアリーなドレスウォッチをメインとしていたパテックフィリップがノーチラスを発表したのは1976年。スポーツエレガンスを表現するラインとして登場しましたが、当時は万人に受け入れられず否定的な声も多くあがりました。
ステンレス製のスポーツウォッチがゴールドケースよりも高価格で取引されることに抵抗を感じる人が少なくなかったためです。
しかし時間の経過と共に、ノーチラスのラグジュアリースポーツウォッチが認知され、高い評価を得るようになりました。
スタイリッシュなスマートなケースサイズでありながら、立体感も合わせ持つノーチラスは個性的なデザインを求める世界中の時計愛好家から現在も注目を集めています。
優れた防水性能と洗練された薄型設計
ケースサイズが薄型である点がノーチラスの特徴のひとつです。しかし同モデルが注目されるようになったのはデザイン性だけではありません。カジュアルかつエレガントであるノーチラスはビジュアルと共に高い機能性も備えています。
ノーチラスの凄さは12気圧防水を実現したことです。当時リリースされていた他社の高級時計の中にはすでに60気圧防水の腕時計が開発されていました。
それにも関わらず12気圧防水を実現させたことに称賛を集めた理由が、ケースサイズの厚みです。
防水性を高めるとケースサイズは厚みが出てしまうのが一般的でした。しかしラグジュアリースポーツウォッチというコンセプトを守るために、薄型にこだわったノーチラスはケースの薄さをそのままに高い防水性を実現することに成功したのです。
ジェラルド・ジェンタによる革新的なデザイン
時計界のピカソとも呼ばれているジェラルド・ジェンタ。ノーチラスは世界的にも有名な時計デザイナーでもある彼が手掛けています。歴史も受け継ぎながら、前衛的かつ革新的なデザインは遊び心を取り入れたい時計愛好家を夢中にさせます。
オーデマピゲの「ロイヤルオーク」がジェラルド・ジェンタの出世作でしたが、ノーチラスはその作品を超えるほどの存在となりました。ノーチラス誕生から40年以上も経った現在も、マイナーチェンジを繰り返し多くの老若男女を虜にしています。
ノーチラスが革新的と呼ばれるようになった理由にはベゼルの形にあります。現在はノーチラスのシンボルでもある八角形のベゼルデザインは、当時の時計デザインの根本を覆す存在でした。
それまでは時間を確認するアイテムと扱われてきた腕時計でしたが、一種のステータスとしても愛されるようになったのは、ノーチラスの影響も大きいです。
ジェラルド・ジェンタはほかのブランドともコラボレーションしていますが、ノーチラスは腕時計の中でも彼の最高傑作と言われています。
「耳」と呼ばれる左右の構造
数あるコレクションを世界に発信しているパテックフィリップの中でもアグレッシブな存在感を醸し出しているノーチラス。潜水艦のノーチラス号をモチーフとしたデザインは特徴的であり、サイズも大型でした。
ノーチラスが特徴的なのは八角形のベゼルのほかに、もう1点あります。それがケースの左右から出ている通称「耳」と呼ばれている突起物です。現在はノーチラスのシンボルデザインとして採用されていますが、当時は高い防水性を実現させるためのものでした。
ノーチラスはサイズケースを薄型に保ちながら、機能性を高めるために防水性を取り入れる必要がありました。水を侵入させないために隙間を作らないこととメンテナンス性は保つことに特化しつつ、薄いケースであることにポイントをおいた結果「耳」が誕生しました。
ケースとベゼルとしっかりと固定する「耳」があることで、薄型でありながら防水性を備えることに成功したのです。
永久修理が保証されている
パテックフィリップのノーチラスが高級時計愛好家より一目置かれている理由のひとつに、メンテナンスするための保証が確立されている点もあげられます。各高級時計メーカーも保証期間を設けていますが、2〜8年が主流です。
それに対して永久修理保証を掲げているのが、パテックフィリップです。どのモデルであっても基本的には修理できる環境が整っているため、一生物としてパテックフィリップを使用できるのは、購入した人にとっては大きなメリットとなるでしょう。
世界中の需要が高まっていても、パテックフィリップは高品質にこだわっています。需要に対する供給数を増やすことよりも、ブランドの価値を損なわないための品質を保つことにプライドを持つブランドです。
資産価値として重宝されているのは、このようなブランドのこだわりにロマンを感じる愛好家も多いからかもしれません。パテックフィリップのノーチラスは一生物の時計を選ぶときにもおすすめです。
パテックフィリップ ノーチラスの販売相場、買取相場
資産価値としても注目されているノーチラスは需要の高いモデルのため、正規店においては入手が難しい傾向にあります。そのため欲しいタイミングで必ず出会えるとも限りません。ノーチラスの中でもモデルによって、価格相場は大きく変動します。
クォーツ時計の誕生により混迷した時代に新たな風を取り入れた、いわば革命児でもあるノーチラス。スポーツウォッチの金字塔として現在もその価値は変わらないどころか、高まる一方です。
世界トップクラスの品質を維持するために、どんなに需要が高まっても少量生産スタイルを崩しません。需要と供給のバランスはすでに保たれていないため、価格は高騰を続けています。2020年以降は購入制限を設けているため、市場に出回る本数も少ないです。
希望のモデルがあればこまめにチェックし、購入チャンスを見逃さないようにしましょう。なお正規店においても、希少価値の高いモデルは相場の変動が激しいため注意が必要です。
ノーチラスはどれくらいで買える？
生産数の少ないノーチラスは正規店で入手できるチャンスも多くはありません。オークションサイトにおいても、落札価格は高くなっている傾向にあります。ステータス性の高さもパテックフィリップの価値をあげている理由のひとつです。
中古であっても定価の数倍の価格で取引されているモデルは少なくありません。価格改定も続いているため、今後も資産価値は高まるでしょう。正規店であってもソールドアウトが多いことから、価格は要問合せとなります。
あくまでも一般的な相場となりますが、素材によっても販売価格に差があります。ステンレススチール素材であれば1,650万円〜3,190万円（税込み）ですが、ローズゴールド素材となると1,870万円～4,680万円（税込み）と高値で取引されます。
ノーチラスクロノグラフ40周年記念モデルとなると6,217万2,000円（税込み）と、販売価格の相場はさらに高くなります。
ノーチラスはどれくらいで売れる？
ステータス性の高さ、資産価値の高さからパテックフィリップの買取相場は上昇傾向にあります。人気モデルであれば高価格買取が期待できるでしょう。買取価格に影響するため、付属品は全て保管しておくことをおすすめします。
ノーチラスは正規店においても、中古販売店においても価格が高騰しているブランドのひとつです。資産価値として考えているのであれば、価格が高騰しているときが査定に出す良いタイミングとなります。
査定に出す前には、前もって買取相場を確認しておきましょう。相場を知っておくと提示された金額に問題がないのか知る目安となります。資産価値として注目されている高級時計の相場は日々変動するため、こまめな確認が必要です。
モデルによって買取価格は大きく変動しますが、素材ごとに見てみるとステンレススチール素材は150万円〜760万円（税込み）で買取されています。ステンレススチールでもブルーは買取価格の相場が高い傾向です。
ホワイトゴールド素材となると710万円〜1,050万円とステンレススチールに比べるとさらに高い買取相場で取引されています。
パテックフィリップ ノーチラスの人気モデル5選
エレガントでありながら個性的な雰囲気を合わせ持つノーチラス。そのディテールはあらゆるシーンにおいて存在感を発揮します。資産価値として注目されているモデルでもあるため、今後も需要は高まるでしょう。
パテックフィリップのノーチラスにおいて人気の高いモデルを紹介します。手元にあるモデルが次に該当するようであれば、買取に出すチャンスです。人気の素材やモデルは日々変動するため、資産価値として所有している場合にはリサーチが必要となります。
人気モデルは資産価値の高さだけではなく、デザインも魅力的なので高級時計愛好家の方もぜひ参考にしてみてください。
ノーチラス ラージ 5711/1A-010
ノーチラスの人気モデルとしてまず紹介したいのが、ノーチラス ラージRef.5711/1A-010です。ブラック・ブルーの文字盤がシックな印象を与えます。
シンプルでありながらエレガントなビジュアルは洗練された大人が身につけるにふさわしい高級感を醸し出しています。品のあるビジュアルはステンレススチール素材であることを忘れてしまうほどです。
ブラックブルーダイアルだけでなくホワイトや新色グリーンも人気があり、5711系の注目度はますます高まっています。
機能性を取り入れながらもケースは薄型であるラージ 5711/1A-010は、パテックフィリップのこだわりを深く感じられるモデルです。
販売相場は2,530万円（税込み）。買取相場は950万円〜2,500万円（税込み）で取引されています。
ノーチラス プチコンプリケーション 5712/1A-001
ノーチラスが30周年を迎えた2006年に発表されたのがプチコンプリケーションRef.5712 1A-001です。ムーンフェイスやスモールセコンド、パワーリザーブ表示とさまざまな機能が文字盤内にバランス良く配置されています。
細部までこだわり抜いたこの絶妙な配置バランスは、最高品質高級時計メーカーパテックフィリップがなせる技だと言えるでしょう。ブラックとブルーにより作られたグラデーションが美しい文字盤も魅力的です。
定価は812万円（税込み）でしたが、現在の販売価格相場は1,520万円〜1,750万円（税込み）です。買取価格は1,000〜1,250万円（税込み）が目安となります。メモリアルイヤーに発表された高級時計は価格が高騰する傾向にあります。
資産価値としてノーチラスの所有を考えている際には、当モデルに注目するのも良いでしょう。
ラグジュアリーな雰囲気はそのままに、モダンな雰囲気を取り入れたセンスを感じさせるモデルとなっています。
ノーチラス アニュアルカレンダー 5726/1A-014
グラデーションがかかっているブルーの文字盤と光沢あるステンレススチールの調和が美しいと定評を得ているのがアニュアルカレンダーRef.5726/1A-014です。
年次カレンダーやムーンフェイズが搭載された多機能性が注目されているRef.5726シリーズはパテックフィリップを象徴するモデルとなります。
Ref.5711と比べると微妙にケースサイズが大きくなります。搭載されている自動巻き（Cal.324 S QA LU 24H）はシースルーバックからも見えます。ビジュアルの繊細な美しさもありながら、12気圧防水とタフさも持ち合わせています。
アニュアルカレンダーRef.5726 1A-014の定価は755万7,000円（税込み）でしたが、現在の販売価格は1,880万〜1,918万円（税込み）と高騰しています。買取価格は相場によって大きく変わりますが、2,100万円（税込み）になる場合もあります。
ノーチラス トラベルタイム 5990/1A-011
スポーツウォッチでありながら気品も持ち合わせているノーチラス トラベルタイム Ref.5990/1A-011。ケースの形は船窓からインスピレーションを得たデザインです。八角形のベゼルは丸みを帯びているため、エレガントでありながらも柔らかい雰囲気を醸し出します。
スポーティーとエレガントの絶妙なバランスを持ち合わせたモデルです。外に向けて濃くなる文字盤のグラデーションが美しいのも魅力のひとつ。高性能を誇るCal.CH 28-520 C FUSにより、作動時のエネルギーロスを感じさせません。
定価は1,091万円（税込み）でしたが、現在の販売価格は2,700万円（税込み）〜が相場です。中古品であっても1,998万円（税込み）〜が目安となります。生産終了モデルのため、今後も入手は難しくなるでしょう。買取価格は1,700万円（税込み）が相場です。
ノーチラス クロノグラフ 5980/1AR
ステンレススチールとK18ローズゴールドのコラボレーションが特徴的なクロノグラフRef.5980 1AR。フライバッククロノグラフ、デイト表示が搭載されています。デュアルサブダイヤルを採用することで、ノーチラスの華やかさを維持しながらも視認性・機能性の高さを備えたモデルとなりました。
パテックフィリップ初のスポーツクロノグラスは、同メーカー30周年を記念して発表されたメモリアルウォッチです。12気圧防水のため、多少の雨でも気にせずに使用できます。
定価は874万5,000円（税込み）でしたが、現在の販売価格の相場は1,080万円〜2,398万円（税込み）です。中古なのか新品なのかでも大きく相場は変わってきます。買取価格の相場は1,300万円〜1,600万円（税込み）が目安です。
圧倒的な資産価値を誇るノーチラス
個性的なデザインでありながらも品の良さを兼ね備えているノーチラスは、パテックフィリップを象徴するコレクションとなりました。
需要が増えても高い品質を維持するために供給数は決して増やさないそのプライドも、世界中の時計愛好家から愛されている理由のひとつです。
正規店においては購入数に制限をかけているため、入手がさらに難しくなると言われています。圧倒的な資産価値を誇るノーチラスは今後もますます注目されることでしょう。
この記事では、パテックフィリップ ノーチラスの資産価値について解説しました。最後にパテックフィリップ買取に関するよくある質問を掲載します。
パテックフィリップを高価買取してもらう方法は？
一括査定サービスの利用がおすすめです。PREMIRE VALUEのパテックフィリップ専門一括査定なら、最大60社から見積もりをとれます。パテックフィリップの専門家が価格交渉をサポートしますので、高額買取が簡単に実現できます。
パテックフィリップの買取相場はどのように決まっている？
パテックフィリップの買取相場は時計業界向けオークションの価格を基準に、各店舗の鑑定士が価格を決めています。横の繋がりが強い業界であるため、市場価格から乖離した買取査定金額を設定することはありません。過去実績の詳細については、パテックフィリップ買取実績をご覧ください。
買取価格アップするためのコツは？
パテックフィリップの高価買取を実現するためには、「購入時の付属品の保管」「コンディションの管理」「需要の高まるタイミングの確認」を意識することが重要です。リセールを視野に入れている場合は、購入時から上記を視野に入れ、時計を大切に扱いましょう。
私がお客様の大切なお品物を責任を持って鑑定致します！
PREMIER VALUE 鑑定士並木
大手リユース業者の店長職を歴任。店頭に立ち続け、査定・販売した商品は10万点以上。2021年、PREMIER VALUE SHOP店長就任。 YouTubeチャンネル「プロ鑑定士鼻メガネチャンネル」にて最新の高級ブランド情報やアイテム、時計の魅力を発信しています。
子供の頃からブランド品や、宝飾品・時計が大好きでした。
大人になってからも高級ブランドの歴史や、商品の作りこみの高いこだわりなどに大変な魅力を感じ2010年、ついには仕事として専業者になりました。
今、まさにブランド買取・販売店が乱立し、サービス・価格に関しても均一化に進んでいます。
そうした中で私どもができること。それは、売りたい方から必要とされている方への大切な橋渡し。
新たなオーナー様の喜んで頂いているお顔を思い浮かべ、お品物を大切に扱い、笑顔の連鎖ができるように関わる全ての方へ感謝の気持ちで接する。
単なるブランドショップではなく、リユース・ブランド品販売を通じて社会貢献もできるよう志を持ち、日々鑑定しております。
